2011年のアルビニ録音を振り返る。


今年53歳で逝去されたスティーブ・ジョブズ氏の遺した名言をひとつ。
「あなたの時間は限られている。だから他人の人生を生きたりして無駄に過ごしてはいけない」
シンプルながらも素晴らしい言葉だと思います。これは世論や大衆に惑わされがちな日本人こそ心に強く刻むべき言葉ではないでしょうか。強い信念を持ち続けて来た人間が口にしてこそ説得力のある言葉でしょう。
 
一方音楽プロデューサーであり、自身もミュージシャンであるスティーブ・アルビニ氏はこう言いました。
「他人にタダ飯をおごらせ、食った後で文句を言え」
シンプルながらも理不尽な破壊力に満ちた言葉だと思います。そもそもこの行為の目的は何なのか?他人の人生を生きるどころか強制的な服従の要求すら感じる外道畜生にも劣る迷惑行為。成功率は極めて低く、建設的な結果も求められないので日本人にも欧米人にもオススメ出来ません。強い信念以上に自己破壊願望か偏執狂的な人格の持ち主で無いと実行は不可能でしょう。
 
そんなお茶目なスティーブ・アルビニ先生のプロデュース作品もホームレーベルTouch and Goの縮小に伴い年々減少の傾向にあります。
特に今年は自身のお料理ブログの更新や、キム・ゴードンとサーストン・ムーアの破局にメシウマしたりしてご多忙だったのか、数えるほどの作品しか手掛けていません。
しかしそんな時こそ質の高さにこだわった作品に携わっているのではないでしょうか。実際2010年のアルビニ録音作品も10枚前後だったのですが、The Ex - Catch My Shoe、Nina Nastasia - Outlaster、My Disco - Little Joyなど少ない枚数の割には良質な作品が多く見られたと感じます。

今年2011年は私の確認する限りでは7枚と、恐らく1990年以降最も録音作品が少なかった年だと思います。
だからと言っては何ですが、今年発売されたアルビニ先生の確認出来得るプロデュース作品をここで簡単に紹介していきます!
個人的に粒よりな作品も数枚あるのでアルビニ録音作品を意識してなかった人も是非ご覧になってください。
1,2,ファッキュー!!

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オリジナルは94年にSub Popから発売されました。プロデューサーはTim O'Heir、Bob Weston。
前作「Bubble & Scrape」までの実験的な多様性は影を潜め、LouとJasonの楽曲をメインにした力強く安定したアルバム。
初期のローファイなイメージとは全く正反対なダイナミックさですが、個人的にSebadohの音楽と言うと、鋭利で乾いた音の「Bakesale」の印象が強いです。
Bob Fayがメインドラムとしてクレジットされていますが、一応まだEricも4曲ドラムで参加しています。他にも元RodanのTara Jane O'neilも3曲ドラムで参加しているので、かなりBobの影は薄いです。
エッジの効いた演奏とスピーディーな展開の#1 License to Confuse。
ドライでシニカルな雰囲気の中にも哀愁漂うJason作曲の#2 Careful。
ヘヴィな演奏にポップなメロディの#3 Magnet's Coilと、前半かなり完成度の高い曲でたたみ掛けて来ます。
#7 SkullではLouの囁く様な最高のヴォーカルを、疾走感のある穏やかなギターポップで堪能できます。
そして何と言っても、シングルカットもされたLou、Jason、Bobの共同作#11 Rebound。キャッチーで軽快なギターリフ、Louのリラックスヴォーカル、弾ける様な瑞々しさ漂う珠玉の一曲です。
今作からJasonはかなり力を付けて来て、激しい中にも渋味を感じられる曲作りで、Louにも引けを取らない程の存在感を得ました。
SebadohでのLouの作曲もJasonの曲に影響を受けたものが多く、持ち前のポップセンスも活かしMagnet's Coil、Skull、ReboundなどSebadoh特有の名曲が生まれました。
このアルバム以降Sebadohは確固たるサウンドスタイルを獲得し、彼らにとって大きな転換期をもたらしたアルバムでもあります。
2011年にDomino(日本盤ホステス)から発売されたリイシュー盤はボーナスディスクの出来も結構良いのでお薦めです。国内盤はルーの面白いインタヴューも読めます。
Bakesale

Bakesale

Sebadoh My Fav Tracks 50

Sebadohが9月に来日するぞーやったぞー!イヤッホー!ラリホー
今統計局から入った情報によるとSebadohが来日することによって得られる経済効果は3000億円。
全国の引き篭もりニートがこぞってライブに参加しその勢いで就職活動を開始、失業率が0%に。
Sebadohがライブを行った場所では緑が生い茂る空気が澄み切った肥沃な土地に。農業が盛んになり日本の食料自給率が80%を超える。
Lou Barlowの故郷であるデイトンには日本から純金の象が立てられ、その像の装飾をツバメが貧しい人々に分け与えて子供たちに語り継がれる童話に。
一方ロシアは真空状態の宇宙空間でも音が伝導するスペースギターを開発。勿論世界初のスペースライブはSebadohに決定。宇宙で名曲"Temporary Dream"を熱演し世界中が脱力と感動の渦に。
世界中の悩みの90%くらいがどうでも良くなる。脱力し過ぎて戦争とかまじだりぃわってなって世界平和が訪れる。
20XX年、火星からSebadohのメンバーEricのお迎えが来る。世界中のファンが悲しむ中Louとがっちり握手を交わし火星へと帰るEric。ありがとうEric!
―人類も滅亡した数万年後の未来― 
調査の為地球に降り立った異星人が一つのディスクを発見する。
「貴重な発掘物だ。この星のルーツを辿るためにも母船に戻り再生しよう。」
船に戻った異星人はディスクを再生する。アナログな音質で流れて来る音楽に彼は震えた。
掻き鳴らされるギターの音色にツギハギなメロディに弾ける様な歌声。
気が付くと宇宙服を脱ぎ捨てシャウトしている宇宙人が居た。
発掘されたディスクには古代語でこう書かれていた。
" S e b a d o h "
THE END

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2011年上半期ベストトラック10

ミーンミンミンミンミンミンミンミンミ!!!!!
ミーンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミ゛ーーー!!!!!
ミーンミンミンミンミンミンミンミンミンミンミン

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2011年上半期ベストディスク20

ニンニンニン♪ニンニンニン♪ニンニンニンったらニンニンニン♪
7月と言うと上半期統括の、そして脇汗の臭いも気になり始めるアンニュイな季節!
今夏貴方はどの制汗デオドラント剤をご使用?
やはり若さ溢れる定番の8×4?どっこい今年で販売50周年の歴史を誇るBAN?それともにおい鑑定人「グーb」な貴方はAG+派?
スプレータイプならライターの火を発射口にあてると簡易火炎放射機にもなるぞ!ハハハハ燃えろォー!トリッキーな実用性と多様性を兼ねた制汗デオドラント剤の魅力の渦。
使い切って空になったスプレー缶はちゃんと缶底に穴を空けて捨てましょう。そうじゃないとガス爆発を起こす危険性があるよ。
まぁテメーらの家なんか爆発して燃えちまえばいいんだけどな…やっぱ嘘!みんなのおうち燃えないで!!焼き肉焼いても家焼くな。

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☆夏に聴きたいCD10枚☆

じめじめムシムシ…嫌がらせの様に続く暑さと毎日のようにパワハラで自尊心を削り取ってくる上司にキレて犯罪的な何かを実行しようと血迷っているそこのあなた。落ち着いてください。心療内科、マジでオススメ。今ならクーラーもガンガンについている。

そんなクソ話は別にしといて今この瞬間この時間にぼくが勝手に聴きたいと思い付いたCD10枚を自分勝手に選出して今まさに発表しようと思います!
え?夏に聴きたいCD?そんなあざといことはこのブログではやらない!は?タイトル?見えない!俺は目が見えない!

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Sebadoh

←手前からギターのLou Barlow、ドラムのEric Gaffney、ベースのJason Loewenstein。
ドラムはメンバーチェンジが多く、後にBob Fay、Russ Pollardと移り変わる。
 
PavementGuided by Voicesらと並び90年代のロウファイ、インディーロックを代表するバンド。
Sebadohは1986年、マサチューセッツ州で当時Dinosaur Jr.のベーシストだったLou Barlowと Eric Gaffneyの二人で結成されました。
88年にLouがDinosaur Jr.を脱退し、Sebadohの活動が活発化。 1989年に1st「The Freed Man」をHomesteadから発表します。
結成当初は機材の揃っていない自宅録音で、Daniel Johnstonの初期音源とまではいかなくとも、かなりナチュラルな雑音の入ったデモトラック集の様な曲作り。
その中にLouがDinosaur Jr.で表現し切れなかった、繊細で荒削りなポテンシャルは十分に感じ取れます。
1991年にベーシストのJason Loewensteinが加入、3rdアルバム「III」を発表。 Jasonはこの後も長くメインメンバーとして在籍し、Louと共にSebadohの支柱として活躍し続けます。
1992年にコンピアルバム「Smash Your Head on the Punk Rock」を発表。これまでもSebadohに関わりのあったBob Fayがメインメンバーとしてクレジットされます。
この頃からLouのFolk Implosionとしての活動も始まり、ミュージシャンとして多種多様なキャリアを積んでいきます。
1994年、これまでで最も完成度が高く、Sebadohの音楽イメージを強く印象づけたアルバム「Bakesale」を発表。
Eric Gaffneyも参加はしているものの、メインドラマーとしてはBob Fayがクレジットされています。
1996年、「Harmacy」からEricは完全にSebadohを離れ、Bobもこのアルバムを最後に脱退します。
1999年、「The Sebadoh」を発表。後にFolk Implosionにも加入するRuss Pollardがドラマーとして参加。このアルバム以降新作は発表されていません。


左から
Jason、
Lou、
二代目ドラマーBob Fay。 


全作品を通して、アルバム制作の時にはそれぞれのメンバーの個性を尊重した曲作りに拘っています。
初期の頃から積極的に全メンバーが作曲に携り、Louはメロディアスでアコースティックな曲を、 Jasonは力強くロックな曲を、Ericはチープでハードコアな曲を、と言う印象です。
楽器のパートも曲によってメインベーシストがドラムを叩いたり、その逆も然り、ヴォーカルもLouとJasonで使い分けています。
ワンマンスタイルから掛け離れる事でメンバーの可能性を模索して実践し、それが幅広い作風に繋がったものがSebadohのスタイルであり魅力でしょう。
2007年、「The Freed Man」、「Sebadoh III」、「Bubble and Scrape」のリイシューの発売に伴い、 Lou、Jason、Ericのメンバーでリュニオンツアーを行いました。
そして2011年には「Bakesale」の2枚組リイシューがDominoから発売され、日本でのツアーも敢行!
新作の発表は無くとも健在ぶりをアピールしています。


Sebadoh Official Site
http://www.sebadoh.com/
MP3 Flee DL
http://www.sebadoh.com/mp3/mp3.html