Six Organs Of Admittance - Asleep On The Floodplain

Six Organs of Admittance - Above a Desert I've Never Seen

2011:Drag City
カリフォルニアでBen Chasnyを中心に活動しているサイケフォークバンドSix Organs Of Admittanceの11枚目のアルバム。

Drag Cityのバンドらしい錆び鉄の臭いがするアコースティックミュージック。
#1 Above a Desert I've Never Seenのアコーディオンのイントロから、流れる様な美しいギターの旋律。
#2 Light Of The Lightの熟成された渋みのあるヴォーカルに、やまびこの様な女性コーラス。
#3 Brilliant Blue Sea Between Usでは幻想的なアコーディオンの音色でアンビエントな雰囲気も。
フォーク、カントリーの要素が強い音だけど土臭さはまったく感じず、Jim O'RourkeやBonnie 'Prince' Billyを彷彿とさせる音楽。

何と言ってもBen Chasnyのギターが素晴らしい。ノスタルジックで意識が霞んでしまいそうな柔らかなメロディ。
キャリアが長い分洗練された安定感があります。

★★★★☆

Asleep on the Floodplain

Asleep on the Floodplain

Dead Elephant

Dead Elephant - Post Crucifixion

2004年結成のトリオバンド。
ノイジーで荒れ狂う音の中にもJazzのエッセンスを散りばめたカオティックハードコア。
Jazzの要素を取り入れているあたり初期のEdible Womanを彷彿とさせますが、更に凶暴で狂っている感じです。
動画はインストゥルメンタルですがヴォーカル曲が主体。
この曲が収録されているアルバム「Lowest Shared Descent」はDavid Lenciがミキシング。
グロテスクなジャケットワークにぴったりないびつな音楽です。

Twig Infection

Twig Infection - As If I Could Know

バンジョーとか女性コーラスとか変拍子とか多用しててバラエティに富んだ曲作りでジャンルレスな感じもするけど、取り合えずメインヴォーカルがディスコーダント。

このドライなヴォーカルがThe Dismemberment PlanやFaraquetっぽいポストハードコアな雰囲気を醸し出しています。

ちなみに紹介している曲が収録されている3rdアルバム「The Big Blowjay」はドイツの2nd Recから発売されています。それまではイタリアのレーベルで活動していました。

音源はiTunesで落とすかwarszawaで買えます。

http://www.warszawa.jp/cgi-bin/user/detail/detail.cgi?GID=2

One Dimensional Man

One Dimensional Man - Your Wine

いいですねーこの品の無さ。
97年のデビューアルバム「One Dimensional Man」の一曲目からです。
00年代に入ってからのPinback風なタイトでポップで軽薄なイメージも良いですが、
やっぱりこれくらい頭悪そうなのを前面に押し出した方が逆にかっこいいと思います。
ちなみに2004年4作目となる「Take Me Away」ではこんな感じです。↓
One Dimensional Man - Tell Me Marie

時が何かを癒してくれたのでしょうか。憑きものが落ちた様なサッパリ感。これはこれで良いです。
これまで出した4枚のアルバムがまとめられたボックスセットがかなり安く買えるので是非お薦めします!
The Box [Explicit]

The Box [Explicit]

Delby L

Delby L - "True" 「Yellow 6 - EP」より

デンバーコロラドで活動するインディーバンドDelby L。
この突き抜ける様に透き通った美しいヴォーカル!ミニマムで乾いた演奏から突然激しく弾ける展開など、90年代EMOファンにはグッと来る部分があるんじゃないでしょうか。
08年に「Yellow 6 - EP」でFake Fourからデビュー。続く09年発売の1stアルバム「Nine Skies」は何とSteve Albini録音!アルビニ先生はやはり見る目が違います。
ポップでどこか哀愁を感じる雰囲気はPinbackを彷彿とさせ、ソリッドなギターや激しい抑揚などはハードコアな臭いも漂わせます。
しかし何と言ってもこのむさ苦しい男どもが、こんな美しい音楽を奏でると言う所に90年代EMOっぽさとアンビヴァレントな魅力を感じるのです。
http://www.myspace.com/delbyl
Nine Skies

Nine Skies

Bear Claw / Refuse This Gift

Bear Claw - Nomad

2010年:Sickroom
ギター、ベース、ドラムのシンプル編成3ピースで、シカゴ・イリノイ…なんともShellacフォロワー的なバンドの3rdアルバム。
ソリッド、ヘヴィ、ストイック、ダイナミック!!
女子供にゃ解らない、殺傷沙汰スレスレの音楽性…ガッデム!気に食わねぇ奴らを2、3人ブチのめしてやろうか?そんなポエミーな気分を味わえる、Recorded by Steve Albini @ Electrical Audioなアルバム。
#1 BackbreakerからShellacの"Steady as She Goes"を彷彿とさせるイントロ。ナイフの様に研ぎ澄まされた音質に切り裂く様なシャウト。ツインヴォーカルってのがまたイカス!
全体的にバイオレンスでハードコアな雰囲気ながらも、#4 Goldの様に哀愁漂うインストゥルメンタルでインターバルを挟む抑揚のつけ方も弁えている辺りも。
荒れ狂うギターノイズに、唸るベースライン、重く響くドラミング、ぶつ切りされたリズム。良い意味でも悪い意味でも、アルビニ録音に忠実なアルバムです。
以前紹介したEdible Woman / Spare me/Calfと同じく、こういう音楽が好きな人にはぜひお薦めしたいアルバムですね。

★★★★☆

Refuse This Gift

Refuse This Gift

Disappears / Guider

Disappears - Guider

2011年:Kranky
1st発売からわずか9か月後に発売された2nd。
前作の雰囲気と音質はそのままに、完成度を高めよりキャッチーになっています。
#1 Superstitionは高揚感のあるオープニングに相応しい一曲。ヘビーなベースラインは影を潜め、シューゲ+ガレージのイメージが色濃くなっています。
#4 Guiderはかなりポップで軽快なリズムの曲。個人的にこの曲がこれまでのDisappearsの魅力を解り易く伝えられる曲だと思います。
#6 Revisitingはこれまでの2、3分前後の曲から逸脱し突然16分近くある長尺の曲。気だるくノイジーな音の濁流が16分間存分に堪能できる濃厚なラストナンバー。
前作から大きく変わったことと言えば曲数を減らし、この16分の曲を最後に持ってくる極端な構成くらい。発売間隔も短いことを考えると、前作からのDisappearsのイメージを明確なものにする調整的な面が強い作品だと思います。なので、当然前作を気に入った人は是非購入をお薦めします。

★★★☆☆

Guider

Guider