オリジナルは94年にSub Popから発売されました。プロデューサーはTim O'Heir、Bob Weston。
前作「Bubble & Scrape」までの実験的な多様性は影を潜め、LouとJasonの楽曲をメインにした力強く安定したアルバム。
初期のローファイなイメージとは全く正反対なダイナミックさですが、個人的にSebadohの音楽と言うと、鋭利で乾いた音の「Bakesale」の印象が強いです。
Bob Fayがメインドラムとしてクレジットされていますが、一応まだEricも4曲ドラムで参加しています。他にも元RodanのTara Jane O'neilも3曲ドラムで参加しているので、かなりBobの影は薄いです。
エッジの効いた演奏とスピーディーな展開の#1 License to Confuse。
ドライでシニカルな雰囲気の中にも哀愁漂うJason作曲の#2 Careful。
ヘヴィな演奏にポップなメロディの#3 Magnet's Coilと、前半かなり完成度の高い曲でたたみ掛けて来ます。
#7 SkullではLouの囁く様な最高のヴォーカルを、疾走感のある穏やかなギターポップで堪能できます。
そして何と言っても、シングルカットもされたLou、Jason、Bobの共同作#11 Rebound。キャッチーで軽快なギターリフ、Louのリラックスヴォーカル、弾ける様な瑞々しさ漂う珠玉の一曲です。
今作からJasonはかなり力を付けて来て、激しい中にも渋味を感じられる曲作りで、Louにも引けを取らない程の存在感を得ました。
SebadohでのLouの作曲もJasonの曲に影響を受けたものが多く、持ち前のポップセンスも活かしMagnet's Coil、Skull、ReboundなどSebadoh特有の名曲が生まれました。
このアルバム以降Sebadohは確固たるサウンドスタイルを獲得し、彼らにとって大きな転換期をもたらしたアルバムでもあります。
2011年にDomino(日本盤ホステス)から発売されたリイシュー盤はボーナスディスクの出来も結構良いのでお薦めです。国内盤はルーの面白いインタヴューも読めます。
Bakesale

Bakesale