2011年上半期ベストディスク20

ニンニンニン♪ニンニンニン♪ニンニンニンったらニンニンニン♪
7月と言うと上半期統括の、そして脇汗の臭いも気になり始めるアンニュイな季節!
今夏貴方はどの制汗デオドラント剤をご使用?
やはり若さ溢れる定番の8×4?どっこい今年で販売50周年の歴史を誇るBAN?それともにおい鑑定人「グーb」な貴方はAG+派?
スプレータイプならライターの火を発射口にあてると簡易火炎放射機にもなるぞ!ハハハハ燃えろォー!トリッキーな実用性と多様性を兼ねた制汗デオドラント剤の魅力の渦。
使い切って空になったスプレー缶はちゃんと缶底に穴を空けて捨てましょう。そうじゃないとガス爆発を起こす危険性があるよ。
まぁテメーらの家なんか爆発して燃えちまえばいいんだけどな…やっぱ嘘!みんなのおうち燃えないで!!焼き肉焼いても家焼くな。
まずは20〜11位までをざっと書き連ねます。

20.Joe Lally / Why Should I Get Used To It

19.Low / C'mon

18.Sic Alps / Napa Asylum

17.Apex Manor / The Year Of Magical Drinking

16.Six Organs Of Admittance / Asleep On The Floodplain

15.The Rural Alberta Advantage / Departing

14.The Big Eyes Family Players / Family Favourites

13.The Forms / Derealization

12.Fucked Up / David Comes To Life

11.Deerhoof / Deerhoof Vs. Evil

ベスト10はコメント曲付きで紹介していきます。
 
10.The Get Up Kids / There Are Rules

The Get Up Kids7年振り再結成後初のアルバム。
しかも1stのプロデュースを務めたShellacのBob WestonがMixingを担当…おー、じーざす。
エフェクターかかり過ぎとかオーバープロデュースとか結構賛否両論な今作でしたが、個人的にはこれで良かったと思います。
確かにこれまでのアルバムに比べてハードコア色が強く全体的に陰鬱な雰囲気が漂う作風ですが、こういうコンセプトのアルバムと思えば普通に曲は良いです。
むしろ初心に戻ったくらいの潔さすら感じますね、この尖り具合には。何はともあれ一度解散を経た7年越しの新作から音楽に対する情熱とストイックさが感じ取れる事が出来て良かったです。

9.Parts & Labor / Constant Future

来日も果たしたパァァァァツ・アンドゥ・レイボォォォウ、略してパーレーな彼らの5thアルバム。
ノイジーでポップ、ソリッドだけど独特の浮遊感。この不思議な音の開放感が何とも心地良い。これはライブで観たら最高だったでしょう…。今回行けなかったので是非再来日をお願いしたい。
紹介しているEcho Chamberのクリップもかなりセンス良いです。メンバーかなり年齢不詳な感じですね。ドラムの人がピッチリ横分けなのが気になるポイントですが。


8.Senium / Such Progress

まずは曲の方をご観賞ください。
Nevermind」発売20周年を記念して、カート・コヴェインが在籍していたニルヴァーナの前進的バンドと言われるSenium初の音源集「Such Progress」…。
そう、嘘です。
アメリカはニュージャージーのハードコアバンドSeniumのデビューアルバム。
Steve Albini録音、Bob Westonマスタリングと言うElectrical Audio全面バックアップな相当贅沢なバンド。
しかしそれにも納得の重金属がのたうち回る様なソリッドなサウンド。これはゴミの様に消費されてきた数あるニルヴァーナのパクリバンドの中でもかなりレベルが高い。カート・コヴィーンの生まれ変わりと思い込んでいる俺が言うんだから間違いない(今年30歳)。
今年デビューの新人の中じゃかなりお薦めのバンドです。今後にも期待!このままグランジ風な路線を突っ切ってサブポップからアルバムを出して欲しいです。

7.Thank You / Golden Worry

ボルチモアのエクスペリメンタル・ポストパンクトリオThank Youの3rdアルバム。
前作までのプロデューサーJ. Robbinsから、Chris Coadyにバトンタッチしてめちゃくちゃポップでアヴァンギャルドに。
ハードコアでギャリギャリな音の彼らも良かったですが、突っ走る様なピロピロギターの今作もなかなか。
しかしJ. RobbinsからChris Coadyに鞍替えするなんてどんだけ贅沢やねんコイツら。次回作は是非セルフ・プロデュースで。

6.Architecture In Helsinki / Moment Bends

オーストラリアのメルボルン出身でアメリカで活動するフィンランドヘルシンキが一切関係ないArchitecture in Helsinkiさんたちの4thアルバムあるよ。
今作は2nd、3rdの陽気さも持ち越しつつ、傑作名盤の1stの頃のメランコリックな湿っぽさも感じる雰囲気。
前作までのハイテンションなノリとコーラスの多用は若干抑え目あるが、良い意味でコンパクトにまとまっているあるよ。
ちょいちょい入る80'sディスコテイストがイカス!これはおれも中国人みたいな口調にならざるを得ない。アニマックスでらんま1/2観てるからじゃけしてないあるよ。らんま〜(今年30歳)
前々から感じていて、このアルバムで更に強まったのがB-52'sの影響。メンバー構成や選んでいる音の種類、ヴォーカルの入れ方とかかなり似てるし、敬意あるオマージュ、いわゆるリスペクトを感じます。

5.The Poison Control Center / Stranger Ballet

アイオワ州のインディーポップバンドThe Poison Control Centerの3rdアルバム。
今年聴いた中では今のところダントツにポップであげぽよな曲が詰まった一枚。
最初から最後まであっという間。キャッチーで耳に残るメロディがたくさんでい!
特に中盤4、5曲目あたりの展開はギタポっぽい爆音で「えっ、この人らこんなんなっちゃうの?」と思うくらいかなり振り切れていて最高。
メンバーは若い人みたいですけど、完成度高くて最後まできっちり聴けるアルバムです。

4.Let's Wrestle / Nursing Home

イギリスはロンドンのバンドLet's Wrestleの2nd。
この懐かしい感覚…!Archers of Loaf、Sebadoh、Superchunk…ロンドンなのに90年代USインディーズを彷彿とさせる生温かいダサさと青臭さ溢れるパンキッシュなサウンド
アルビニ録音がまた良い感じにもっさり感出してて、Let's Wrestleの持つシニカルな倦怠感とマッチしています。
#7 I'm So Lazyなんかはかなりアルビニ録音との相性が良いんじゃないでしょうか。

3.Battles / Gloss Drop

Tyondai Braxtonが抜けてからの2nd。
Don Caballero、Storm & Stress、Helmetから何故こうなったのか。
なるほど、EPの頃はまだ納得のいく方向性でした。
しかし予想のナナメ上をいくどころか次元刀で空間を切り裂いて裏男の体内から脱出するくらいのアクロバティックな動きを見せるのがBattles。
仙水に黒の章を見せられて真面目でソリッドで体育会系のゴリゴリハードコア/インストゥルメンタルバンドが色んなもの(変態的な)に目覚めたそれがBattles!!!!んレイガン!!(今年30歳)
ポップになったな〜、って思った1stの頃より更にポップでドロリンチョな感じになった今作「Gloss Drop」。ジャケットもドロリンチョだよ。
やはりゲストヴォーカルの起用が良かったです。単純に表現の幅が広がったと思います。特にBlonde RedheadのKazu Makinoが参加している#8 Sweetie & Shagが好きです。
今年お花畑で聴きたいCDナンバー1間違いなしのアルバムでした。
映像がパーマネント・バケーションなのは気にしたら負けだと思います。

2.Honey For Petzi / General Thoughts and Tastes

スイスのマス/ポストロックバンドHoney For Petziの4thアルバム。
BattlesやHellaとはまた一味違ったミニマムで草食系なマスロックバンド。Pinbackみたいなのが好きな人にオススメ。
今年で活動10年目くらいでしょうか。キャリアの積み重ねが形となって現れ始めた様な会心の一枚。
1stではアルビニ録音でインストゥルメンタルポストロックをやっていましたが、今作ではがっつりヴォーカルが入っています。
変則的で捻くれたリズム、ポップでか細く見えて、ひんやりとした刃物の様な鋭利な音。この絶妙なバランス感が堪らなく良いです。

1.Joan Of Arc / Life Like

どーも、どーも。今年4月で無事生誕30周年を迎えた管理人です。まあ上半期ベストディスクって言うか上半期で30代ですかって感じなんですけど。
しかし私は30代を迎えるにあたって様々な思惑の中で苦悶しておりました。一度は30代と言う魔の領域に踏み込むのを恐れAT(Anti Thirty)フィールドで30代を阻止しようと試みたものの無駄な事。時の流れは残酷。私は捨て鉢の様に30代を甘んじて受け入れる事に。
思えば20代を迎える頃は「酒とたばこが堂々と出来るぜ!ざまーみろ!しかしセックスは全然出来ない」と地元の暴走族にも半分同調する具合で喜んで受け入れたものですが、30代となるとどうでしょう。「酒もたばこも健康に悪いし止めなきゃな…しかもセックスも全然できない」と今度は自分がざまーみろな具合に。
最近なんか頭皮が若干薄くなって来たような…更に今までどんなに食べても太らなかったのに体重が一気に5キロ増えたし…。

哀しきかな
三十路男の
ネガブログ

句を詠んでみても覇気も無ければ季語も無い、残念なこの有様ですよとか書きつつも実は微塵もそんなこと思ってもおらず薄っぺらな文章をただ羅列するのが好きなだけで人生ペロペロ舐めまくっている常に半笑いの管理人がブリッジしながらエクソシストの物真似で思ったより必死に選んだ”2011年上半期ベストディスク”堂々の一位はJoan Of Arcの「Life Like」!!
結成16年目にして初のアルビニ録音、そしてCap'n JazzのオリジナルメンバーでもあるVictor Villarealも10年振りに参加した通産11作目のアルバム。
なんなのかこの空間を自由に飛び跳ね回る様なフレキシブルな楽しい音は。
散りばめられた不協和音と記号の様に配列されたリズムが計算されたのか思いつきなのか分かんねぇよくらいの展開で混ざり合って長大なのに軽いノリでハイタッチみたいなコミカルでコズミックさすら感じる演奏!
そしてふいにCap'n Jazzの頃から変わらぬTim Kinsellaの弾ける様な瑞々しさを持ったシャウトが響き渡った瞬間にああ…胸の中に甘い何かが広がる。
そういうわけで上半期は完全にJoan Of Arcが持ってっちゃいました。正直これが来るまで一位!ってのが無かったんで若干不安を感じていた上半期でしたが、Joan Of Arcのお陰で個人的にビシッと締まりました!
 
この20枚を糧に下半期も適当にがんばるぞー。
しかし下半期もざっと見てHella、Beauty Pill、Braid、Wild Flag、Mekonsなど期待の新作が目白押しなのでした。