Folk Implosion / Slap Me 1stアルバム「Take a Look Inside」より

Dinosaur Jr.を脱退し、Sebadohを中心に活動していたLou Barlowと、同郷のマサチューセッツ州ケンブリッジを中心に活動していたソングライターJohn Davisのデュオバンドとして結成。
きっかけはイギリスのインディレーベルから発表されたカセットテープだったそうです。
94年ごろから活動が活発化し、1stアルバム「Take a Look Inside」を発表します。
宅録でロウファイな音ですが、Dinosaur Jr.やSebadohとも一線を画す、おもちゃの様なドラムとへろへろなギターとベース、ツギハギなハンドメイドの様なフォークポップで、ダウンテンポでチープな雰囲気の音楽です。

95年、ラリー・クラークの映画「KIDS」のサントラにDaniel Johnstonらと共に参加。多くの楽曲を提供し、その中の「Natural One」と言う曲がビルボードのシングルチャート26位を記録し、当時のUSインディーバンドではかなりのヒット曲になりました。「Natural One」はUnkleのアレンジバージョンも作られ、 Folk Implosionがシーンで最も注目された時期だと思います。
「Take a Look Inside」、EP「Folk Implosion」ではジャンク色が強く、 Sebadohと比べLou Barlowの繊細で弱々しい一面が色濃く反映されたバンドと言うイメージでしたが、「KIDS」のサントラや97年「Dare to Be Surprised」以降は打ち込みやコーラスなども取り入れ、リスナーを意識した完成度の高い楽曲にも取り組む様になりました。
99年にBeckの「Odelay」がヒットし、そのローファイ、ジャンク色の強い作風からFolk Implosionが良く引き合いに出されました。アメリカで「Odelay」の様なアルバムがヒットする土壌が出来上がった要因に、 Folk Implosionが強く影響を与えているのは間違いないでしょう。
同年、John DavisとのFolk Implosionの集大成とも言える「One Part Lullaby」を発表し、活動は一旦の区切りを付けます。

2003年、John Davisとのデュオスタイルに別れを告げ、Sebadohにも参加していたRuss Pollardと、彼と共にAlaska!と言うバンドで活動しているImaad Wasifが加わり、トリオ編成でアルバム「The New Folk Implosion 」を発表します。今までのFolk Implosionには無い、Louの音楽に対する真摯な姿勢が感じられる作りでした。
一新したメンバーで仲良く映画「しあわせの法則」にも出演し、Folk Implosionの活動も活発化…かと思いきや、 Dinosaur Jr.の再結成やLouのソロ作品の制作などで、再び長いお休み中の様です。
Sebadohに比べると様々な音を取り入れ、作風も大きく変化していったFolk Implosion。歴史的名盤!と言う作品はありませんが、幅広く卓越したポップセンスは聴き続けるだけの価値があります。
Take a Look Inside

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