Enon / Daughter in the House of Fools
アルバム「Hocus Pocus」より

Enon(エノン)はニューヨークを拠点に活動を続けるインディーポップバンドです。
バンドの中心人物であるJohn Schmersalは元々オハイオ州デイトンのBrainiacと言うハードコアバンドに参加していました。しかし、メジャーデビューを直前にしてBrainiacのヴォーカルだったTim Taylorが交通事故で亡くなってしまい、 97年のBrainiacの解散を経て、99年からJohnのEnonとしての活動が始まりました。
最初は彼のソロプロジェクトとしてシングルを数枚発表した後、00年、 Skeleton KeyのRick LeeとSteve Calhoonと共に1stアルバム「Believo!」を発表します。
前身とも言えるBrainiacのいびつなポップセンスは健在で、その後もEnonのスタイルに強く反映され続けます。
02年、2ndアルバム「High Society」の製作にあたり、Brainiac時代にも在籍していたTouch and Goレーベルに移籍。ドラムにMatt Schulz、ベース、ヴォーカルにToko Yasudaを正式なメンバーとして迎え入れます。

Toko Yasudaはその名の通り在米日本人女性で、The Van Pelt、The Lapseの元メンバーで、Blonde Redheadの活動にも参加していた人物です。
このメンバーチェンジがEnonに大きな変化を与えます。
バンドは男女混合のツインヴォーカルスタイルになり、元々のチープでいびつな雰囲気に、キッチュでコミカルなエッセンスが加わって、ポップでエンターテイメント性を帯びた作風が色濃くなりました。
Tokoのキュートな歌声はEnonのけだるくエキゾチックな雰囲気と相性抜群で、更にJohnの長く培ってきたポップセンスがバラエティに富んだ曲作りを生み、 03年に発表された3rd「Hocus Pocus」はその結晶とも言えるアルバムです。
他のバンドには無い、混沌とした独特のオリジナリティがEnonの一番の魅力だと思います。
そしてなんと言っても、メンバーに僕と同じ日本人のTokoさんが在籍しているとなると、やっぱ応援したくなります。
Hocus Pocus (TG249CD)

Hocus Pocus (TG249CD)