The Top 10 Albums of the 2000s


何故今なのか…この時期に00年代のTOP10アルバムを決める!
むしろ、後半発売されたアルバムの聴き込み度を考えれば、今くらいがちょうどベストなのかも知れないと言う、微妙に理由が繕えそうでもある生ぬるい状態!
取り合えず、客観的要素を出来うる限りに排除した超個人的主観によるThe Top 10 Albums of the 2000sです。
 
10.Mice Parade / Mice Parade | 2007年

Double Dolphins on the Nickel
Adam Pierceの持つ乾いたスパニッシュな雰囲気、そこにMumのKristín Anna Valtýsdóttirを筆頭にアンニュイな女性ヴォーカル。美しいです。
Doug Scharinを通過したトロピカルで無国籍なポストロック。
HiMの「1110」とで迷いましたが、やっぱAdam Pierceのかすれたヴォーカルでこっち!
  
9.Unwound / Leaves Turn Inside You | 2001年

Scarlette
00年代に発表されたUnwound唯一の作品で、2枚組のラストアルバム。
Dischordレーベルのバンドとも通じるポストハードコアな音を残しつつも、Unwound独自のノイジーで不協和音なメロディと不穏な雰囲気は完全にそれらとは一線を画す音楽。
結成から解散まで、Unwoundと言うバンドが研ぎ澄まされて出来た完成形とも言える、理想的なラストアルバム。
 
8.+/- / +/- | 2002年

All I Do / Crestfallen
2002年発売の+/-の1stアルバム。
穏やかなヴォーカルに、ポップな打ち込みに、突然襲い掛かる嵐の様なノイズの爆音。凄い無理矢理!荒削りってこういうこと。
90年代の弾ける様なギターロックに代わり、00年代のUSインディーではこういうメランコリックなエレクトロニカポップが好物でした。
 
7.Faraquet / The View From This Tower | 2000年

Study in complacency
ミシンの様に正確に激しく掻き鳴らされる研ぎ澄まされたギター、ドライでストイックなヴォーカルに冷たくハードコアなメロディ。
マスロック、ポストハードコアの金字塔的作品で、Dischordバンドスタイルの終局地点。
一曲目から最後まで、乾いたギターの音がたたみ掛けて来ます。
#6 Study in Complacencyでは金属音が直接脳に刺激を与えている様な感覚。
これだけ激しいギターにも関わらず、軽やかでキャッチーなリズム。
技術と音楽センスが最高の状態で完成された、まさにパーフェクトな一枚です。
 
6.Xiu Xiu / Fabulous Muscles | 2004年

Clowne Towne
Xiu Xiuのアルバムはどれも好きなのでかなりチョイスに迷ったんですが…このアルバムがJamie Stewartが一番必死で本気っぽいです。
悲痛な叫び声の様なノイズとシャウト、儚くもの哀しげなアコーディオンにトランペット。ドロドロで重く、絶望と悲しみと自慰の感情を強烈に表現した、凄く切ない音楽。
 
5.Q and Not U / Power | 2004年

Wonderful People
Dischordの産んだ超絶異端児、ファンキーでパンクで踊れるストレートエッジ!
激しくうねる様に緩急をつけるギターとパーカッション、甲高く時に力強くリズミカルなヴォーカル、Dischordレーベル特有の鋭利で硬質な音。
このアルバムを最後に解散。復活を激しく希望するバンドです。
 
4.Enon / Hocus Pocus | 2005年

Daughter in the House of Fools
めくるめくチープでコミカルな御伽噺、キャッチーでいびつに煌めくエンターテイメント!
前身であるBrainiacから培ってきた毒のあるEnonのポップセンスに、古典的で間違えた日本観を与えかねないToko Yasudaのエキゾチックな雰囲気が絶妙にマッチ。
Enonのアルバムの中で一番弾けてて、インディーらしい安っぽさと遊び心に満ちた大好きなアルバムです。
 
3.Uzeda / Stella | 2006年

Touch & Go Uzeda / Stella
エンジニアAlbini先生、00年代ベストワークがこのアルバム。
アルビニ録音によるヘヴィでクリアで立体的で切り裂く様な音の嵐の中を、Giovanna Cacciolaの力強い歌声が鮮烈に突き抜ける!
エンジニアとプレイヤーによる一歩譲らぬピリピリとした緊張感の駆け引き。Uzedaとアルビニ録音の相性は最高。ここまでジャストフィットするなんて滅多にない、アルビニのエンジニアキャリアの中でもトップクラスの一枚です。
 
2.Architecture in Helsinki / Fingers Crossed | 2004年

Like a Call
ポップでキャッチー、心地よいリズム、メランコリックな優しさを奏でる切ないメロディー。赤子をあやすようなささやき声のコーラスは、まるで口の中で広がる甘いチョコレートの味。
Architecture in Helsinkiの1stで最高傑作。悲しくて瑞々しくて、目を閉じて何らかの情景を抱かずにはいられない作品。
 
1.The Postal Service / Give Up | 2003年

The Postal Service - YouTube
滲む様に響く電子音に、Ben Gibbardの寂しげで切ないヴォーカル。音の真綿に沈んでいって包み込まれてしまいそうなノスタルジックさ。
1番は、結局00年代に1枚だけしかアルバムを発表しなかったThe Postal Service。そういう部分も印象の強さに繋がっているのかもしれません。
Death Cab for CutieDntelがこの1枚の為の活動だったと思わせるほどの傑作。
メランコリックなエレクトロニカポップ、個人的に00年代を象徴するには最も相応しいアルバムです。
買う時は絶対国内盤で!ボーナストラックも含めての評価です。 
 
と言う訳でこういう風にまとめられましたが…なんかものスゲー偏っている気がするけど
本能に従った結果がこうなので仕方ない!
そして結局00年代後半期のアルバムが殆ど入ってないと言う…やっぱ聴き込んでいる時間が長いほど愛着が沸くって言うね…。
ちなみに惜しくもTOP10圏外となった次点はAnimal Collective/ Merriweather Post Pavilion、Lou Barlow / Goodnight Unknown、HiM / 1110、David Byrne/Brian Eno / Everything That Happens Will Happen Todayと00年代後期のものが続くので、この先ランキングがかなり入れ替わることが容易に予想されます。
また時間が経てば00年代を再評価しよう。その時まで、さいなら、さいなら、さいなら〜…。